船着場(ふなつきば)のむこうに広がる海。 学校へとゆく小道のすがらに立ちどまってそこにしばらく、島影を映しながら揺らぐその水面を少女は眺め続けた。 遥かなる航路(こうろ)―瀬戸内海の寄せては返してゆき溜まる穏やかな潮の波を見据えたその刹那、その胸にはて何を想う。いつかの時代をそこに暮らした少女たちがそうしてきたように。 今日の日の始まりの陽の光をまなざしのうちにたたえながらに。 |
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