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行き交う遠方からの旅人たち。そこは太平洋(たいへいよう―Océano Pacífico)の大海原を西に見据える北アメリカ(América del Norte)の海辺の地―メキシコ(México)の南の外れは、古代文明の遺跡の多きところ、オアハカ(Oaxaca)、ウアトゥルコ(Huatulco)。 美しい海岸(Costa)に続く波音。保養のところとしてこの地に名のあるここウアトゥルコの町の路傍に、あまりの暇(ひま)を持て余していることを旅の者の見る目のうちに思わせながら、幼女はすずろにたたずんでいた。 着ける夏衣(なつごろも)の隙間から、はみ出る肉をおおいに揺らしながら、やがて幼女は裸(はだか)のその足を進め、市場(いちば―Mercado)にほど近い街のなかへと歩き去っていった。いつもながらに蒸し暑い熱帯の町。街路は熱の盛りをますます高めてゆく頃にあった。
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