不動院岩屋堂
Iwaya-Do in Tottori

2005年11月5日
 北に日本海(にほん-)の潮を見据え、中国山地(ちゅうごく-)を広く仰ぎ見る、山陰(さんいん)の東方、鳥取県(とっとり-)。

 内の最東端に位置し、東に兵庫県(ひょうご-)との境を、南に岡山県(おかやま-)とのわずかの境を据える若桜(わかさ)という町は、わずかの民のすみどこながらも、遅くとも奈良時代にはあったという、太古の代からの歴史をたたえ、今の世にまで連綿とあり続けてきた。[1]

若桜の二河川
 この地の交通の要衝、物資の集散を担う宿場の町として、また若桜城の城下町として古来から栄えてきた若桜町に、八東川(はっとう-)と吉川川(よしかわ-)という、この町を流れる数多の川のうちの、二つの流れがある。[1][2]

 この二河川は、役場や『鬼ヶ城』城跡などのある『町の中心部』といえる場所から大きく南東にはずれたところ、地名を『岩屋堂(いわやどう)』とするところで合流し、新たに八東川となって北へと流れゆく。[1][2]

 その界隈に一ヶ寺。
  • 寺号:岩屋堂(いわやどう)
  • 院号:不動院(ふどういん)
  • 開基:空海(くうかい)
  • 開山:大同元年(西暦806年)

 不動院―岩屋堂。石段をのぼって突き当たる岩壁、そこに形作られた天然の岩窟、そのなか。舞台造りの本堂それだけを伽藍物とするこの寺は、真言宗(しんごん-)の開祖などとして名高い高僧・弘法大師(こうぼうだいし)―空海の開基と伝えられ、平安(へいあん)の代(794-1185年頃)に始まる寺伝を今の時にまで伝えている。[3]

歴史
 興りは平安時代のはじめの頃、西暦のもとの806年の頃に、この地に修験道(しゅげんどう)の寺院として開かれたことにあるという。古の八州(やしま)に真言密教をもたらした名僧・空海―世にいう弘法大師の開基と伝えられ、飛騨(ひだ)の匠の手による築の堂宇をもってはじまりの時を迎えたものといい、後世に至って源頼朝(みなもとのよりとも)の再興を経たとの伝えもある。[2][4][5]

 堂にまつわる『書上帳』は、興りのときから800年近くの時を下った天正(てんしょう)の代に辿った歴史を伝えている。よれば、天正9年(1581年)、のちの太閤・羽柴秀吉(はしばひでよし)が鳥取城を攻略したとき、その兵火を被って、それまでの大伽藍のほとんどが焼失してしまった。そのなかでただ一つ遺されたのが、今に残る岩窟のなかの堂であった―。[5]

 今に残る堂のそもそもの建造は、定かといえるほど詳らかではなく、おおよそ室町(むろまち)の代(1336-1573年)のはじめの頃と考えられている。時も下った安永年間(1772-1781年)に大きな修理が行われ、昭和32年(1957年)の3月31日から始まった18ヶ月にわたる復旧工事を経て、今の姿に至るという。[6]

 昭和28年(1953年)の11月14日をもって、国の重要文化財に指定された。[6]

伽藍
 若桜街道と呼ばれる通りの脇道の先に続く石段、その突き当たりの岩壁に形成された天然の岩窟の中に堂が座している。[5]

 その間口およそ7m、奥行およそ10m、高さおよそ13mにして、屋根の前方が入母屋造り、後方が切妻造りで、床下は舞台造り。空海が33歳のときに彫刻したものという、不動明王(ふどうみょうおう)の像を本尊として納める。この像は、日本三大不動明王の一といわれ、参拝の者がこれを拝むには、毎年2回の祭事のときに訪れなければならない。[3][4]

 西方の三朝町(みささ-)にある天台宗寺(てんだい-)・三仏寺(さんぶつじ)の有する国宝・投入堂(なげいれどう)などとともに地域に独自の性質を持った貴重な文化財といわれ、その境内には今にも神秘的な雰囲気をとどめるという。[5]
  • 祭事[4]
  •  3月28日:春の大護摩修行
  •  7月28日:秋の大護摩修行

文献資料
  1. 町のおいたち/わかさ町/鳥取県 - ホーム/わかさ町/鳥取県
  2. 中国地方観光ナビ - 中国新聞(The Chugoku Shimbun)
  3. 護摩たき 厳か 若桜「不動院岩屋堂」開山1200年 - Net Nihonkai-日本海新聞
  4. 不動院岩屋堂/わかさ町/鳥取県 - ホーム/わかさ町/鳥取県
  5. 不動院岩屋堂 - 西日本中央連携軸推進協議会
  6. 不動院岩屋堂 - mijosxi home page

所在は鳥取県八頭郡若桜町岩屋堂214。最寄の電停は若桜鉄道若桜線若桜駅。最寄のバス停は鳥取自動車クローバーバス『岩屋堂』。ほど近くに池田郵便局(東方)、若桜町立池田小学校(南東)などがある。


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