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広大なるユーラシア大陸のほど中央、その南方の地にあり、西アジアと中東(ちゅうとう)の大地を分かつところにその国土を広げるペルシアの歴史深き国―イラン(ایران)は、北に古代より名を知られるカスピ海(دریای خزر)を、アラビア海(دریای عرب)に連なるペルシア湾(خلیج فارس)の水を南に湛え、荒涼たる砂漠(さばく―بیابان)の地をまた見据える大地に据えている。 そこはアブヤーネ(ابیانه)という名の内陸の小さな村。丘の斜面に赤土の家が並ぶこの村にまた訪れた、年のはじめの頃。少女(دختر)はその家の前にふたりで座り、静かにほほえんだ。・・・往時よりこの地に営まれてきた信仰の伝統―それを色濃く今に伝える衣装をその身にまとって、それを色濃く今に留める町に、今日の少女の日の今を生きる。 高原の古都エスファハン(اصفهان)と工芸に絨毯(じゅうたん)の産地として名高いオアシス(واحه)の街―カシャーン(کاشان)との間に位置するアブヤーネ村は、この地がイスラム教(اسلام)の王朝―サファヴィー朝(صفویان)に統べられるより前の時代の拝火教(はいかきょう―ゾロアスター教―مزدیسنا)の様式の名残を色濃く今に留め、変わらずそこにあり続け、いずこより訪れては去る旅人を魅了し続ける。 息衝く悠遠の時の息吹を秘めつつ、今もそこに生を送る者たちのほほえみを秘めつつ。
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