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雄大な洋(わだつみ)に連なる相模湾(さがみ-)の潮の溜まりを見据える湘南海岸(しょうなん-)は、内陸の地からそこにやってくる境川(さかい-)という名の流れを見るところで、水面に古来からそこに知られてきた名勝の小島―今の世に享楽の地としてその名を馳せる江ノ島(えのしま)の孤影を仰ぐ。 ところの寄せては返してゆく波に沿って続く海岸の渚(なぎさ)に面した水の生き物たちの館(やかた)―新江ノ島水族館(-すいぞくかん)は、春を過ぎやがて夏めく季節のこの日にいつもと変わらず数多の来訪の影をたたえていた。 色無きの壁の向こうにゆらめく透き通る水、そしてゆらめくたくさんの水の生き物たち。それらを眺める腕(うで)のなか。そこにぷにっ、・・・幼児(おさなご)の丸み弾けるちっちゃな身体を反らせて幼女は、ふたつおさげ―ツインテールの髪を静かに揺らした。 後ろに泳ぐお魚さんたちより気になるなにかがそこに・・・、ちがうちがうただすずろのうちに・・・。瞳のなかにとらえたはなにやら。 やわらかな光に包まれた水の館のなかに過ぎてゆくひととき。ちいさなちいさな夏のはじめのお楽しみのひとときといっしょに。
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