|
|
日本(にっぽん)、九州(きゅうしゅう)、福岡(ふくおか)の県都福岡市のさつきの初め頃の、二日にわたって市街を沸かせるある大祭(おおまつり)は実に名高い。 博多どんたく―博多(はかた)の町に悠久の歴史をたたえるその祭の間には、マーチング、舞踊に音楽・・・模様色々のしつらえの祭行列が大通りを練り歩いてゆく。その通りの脇には途切れることなく続いた見物の民のたかり、そのなかにあって、幼女の瞳は、多くの人々の見るほうと逆のほうを漂よわしげに見つめた。 編み物帽子の隙間を通してこぼれる日ざしは五月(さつき)の昼時の、夏日にもすがつ光こもれる陽。大きな腕にすがりつく幼女のちいさな身をうららかな風がまた撫で、まなざしに返す光を伝えた。 |
Copyright (C) 2007-2008 Ψ, except all images.
Powered by f.nsview.net/