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夏(なつ―Sommer)のいでたちながらも季節は寒さの峠をようやく越えて、あたたかな風の吹き抜ける時を向かえようとする頃だった。 市街はベルン(Bern)という名の町。中世(ちゅうせい―Mittelalter)と言われる時代の残り香を今にありながら色濃くたたえ、その香りを求めて訪れる数多の旅―観光の者たちの歩みをたたえもするこの町は、市街のところどころに跳ね散る数多の噴水(ふんすい―Springbrunnen)の舞いをたたえる。 少女(しょうじょ―Mädchen)の駆けゆくその場もそうしたところのひとつであった。タンクトップから、短パンから、・・・濡れた素肌をあらわに走る。ところは国の政治の中枢―聳える連邦議会議事堂(れんぽうぎかいぎじどう―Bundeshaus)を近くに見据える街路。 西ヨーロッパ(Westeuropa)の内陸に位置する自然豊かな国―数多の大国の狭間にたたずむ小国―スイス(Schweiz)の首都を今につとめる歴史豊かなベルンの町。 訪れる者をしばしば唸りの旅情にいざなう美観をたたえ、日々を暮らす人々の息吹を、そして今日の日を遊ぶ娘たちの息吹をたたえつつ、市街は今日もそこに時を刻み続ける。
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