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遥かなるユーラシア(歐亞)の大地のうちの東に広がる中国(ちゅうごく)の大陸から外れて東の海に浮かぶ島―台湾(たいわん―臺灣)。その首都にあたるところの台北(たいほく―タイペイ―臺北)を囲む台北県(臺北縣)は、この島の北の端に位置し、西に東に、そして北に、常世に変わらぬ海を見据える。 淡水(たんすい)という町がある。台湾島の北部に広がる台北県の更に北部に位置するこの町は、この島に数多ある鎮(ちん)―小さな行政区画(行政區劃)―のひとつでありつつ、東の平渓郷(へいけいきょう―平溪鄉)から流れる淡水河(たんすいこう)の終点を据える港(みなと)の町。 秋を迎えたある日、時はしだいに暮れに近づく頃。街のゲームセンター(游戏场)を思わせもしよう、さぞ賑やかなろうところの店先。遊ぶお兄ちゃん(阿兄)たちの影をまさしく尻目にして、近くの海の向こうの国―日本(にほん)の文字の描かれた壁の前にて、宙にその両の脚を大きく広げる者がいた。 地元の娘なのだろう。何らかの喜びの気持ちを抑えきれなかったのか、それとも暇でしかたがなかったからか、何かほかの理由がそこにあってか、あるいは不意にか・・・幼女は街路にひとりで逆立ちをしていたのであった。 東洋(とうよう―东洋)のヴェネツィア(威尼斯)と称えられもするここ淡水の町は、黄昏どきの美麗なる夕陽(晚霞餘暉)と景勝の地として名があり、貿易港の町としての古くからの賑わいを受け継ぐように、途切れることなく訪れてはまた去ってゆく人々の声々のうちに大いなる賑わいを今にたたえながら、揺れる波の音を今日も聞く。 季節の民の息吹に彩られては―。 ながらに地に暮らし遊ぶかようの娘たちの影を映しては―。
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