海辺の祭のさなかで氷菓を片手に厚化粧の幼女
Crying Angel

2006年11月4日
 中国大陸(ちゅうごく-)の南の外れは香港(ほんこん)の更に南の外れに位置する石澳(せきおう)という名の村は、この地にあっては珍しいという波打つ浜のあるところにして、その美麗な浜を擁する素朴な漁村として、南支那海(みなみしなかい―南海)を南に見据える香港島(ほんこんとう―香港岛)の南東方の端にたたずんでいる。

 香港の全ての中心と言われる中環(ちゅうかん―中环)―通称セントラル(Central)から山あいの道を抜けてしばらくのところにある静かな石澳村はこの日に、10年に一度の祭(まつり)の織り成すささやかな賑わいをたたえていた。

 太平清醮―地の神々を鎮めるべくと祀り奉じられる醮(しょう)で、香港の各地に似た祭がある。それらと比べてささやかな規模の石澳村のこの祭のさなかで、幼女はその手に氷菓(ひょうか)を握って、遠くを見つめてみたところだった。

 薄紅(うすべに)の色に染められた頬に、赤の口紅。それはまさしく厚化粧(あつげしょう―厚化妆)。祭り娘のひとりなのだろう幼女のひとときの顔の色は、脇からそれを見る者に泣き顔を思わせもしたのであった。

 灼熱の季節が過ぎ、しだいに静まり穏やかになりゆく頃。ひとときはまだまだむんと照りつける熱びた日ざしのもとにあって、陽どきの盛りのときに向かっていった。


身飾幼女|香港|世界採集写真館

Copyright (C) 2007-2009 Ψ, except all images.
Powered by f.nsview.net/