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新年明け来て三箇日(さんがにち)の日の祇園(ぎおん)の脇道にしらべみられや、それは幼い舞妓(まいこ)の雅(みやび)。 白粉(おしろい)の面に紅の唇、留め置いた花簪(はなかんざし)の飾る結い上げの髪は振袖(ふりそで)の羽織(はおり)と、花街のかどに違和めの流れを起こすこと、これ少しもなかろう。 祇園の鎮守―八坂(やさか)のお宮の歌留多(かるた)の行いごとに詣でようと歩む参詣の者たち。その者たちの目に、またしてすずろのうちの道をゆき交う者たちの目に、人力車(じんりきしゃ)にちょこりと腰を掛けて『ねねの道』をゆく幼女のその様は、ゆいて感服を起こさせもするほどに映えた。 ねねの道―いうは臨済禅刹高台寺(こうだいじ)の史にかかりある道。清水寺(きよみずでら)の伽藍のやまねから円山(まるやま)の苑に到る道。 ゆき着けば先に八坂のありどころ、向こう知恩院(ちおんいん)のおわすところ、いらうに及ばずやお寺だらけのところだ。 澄みわたろう松の内の京のたまたえの街路を、ゆらりと幼女のはれどきの凛よどこへゆく。 すめらぎの古都の初景色、しらぐ年賀の京都(きょうと)―東山(ひがしやま)。
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