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内海の湾(わん)の波のゆらめきを間近に湛える小さな町にまた訪れた夏のはじまりの頃。この町にただひとつの中学校、週のはじめのこの日にいつもと変わらず過ごす今日の日。 校舎には今日も溢れる今日の日を過ごす学びの者たちの姿。 『はい、あ〜ん♥ ・・・』 ―少女もそのうちのひとりだった。片の手の指に挟み握った匙(さじ)―スプーンを目の前にすすめ、眼鏡(めがね)の奥の瞳をゆるませる。 瀬戸内(せとうち)の海に連なる大阪湾(おおさか-)の水面(みなも)を見据える町の季節は、日本のこの季の風物詩―また蒸し暑い梅雨(つゆ)の日々を迎えようとする頃。 うつろいのなかのひとときにゆらりあたたかな風が吹き抜けてゆこう。そして汗ばむ季節の素肌を撫でてはまた返して消えてゆこう。女子中学生ほほえみの初夏。
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