梨山の暁
Morning Fog at LiShan town in Taiwan

2006年5月26日
 ゆらめきながらに立ち込める深い霧(きり)が、春の終わりの時節の日の明け方に、いつもとたがうことなく山のはざまの村を包み込んでゆく。

 ゆらめく海原に囲まれた島―台湾島(たいわんとう)のほどなかのところ、そこは台中(たいちゅう)の内陸にたたずむ和平(わへい)という名の小なる郷(きょう)。

 ―ところの高き大地に連なる山脈(さんみゃく)の地にありしは梨山(りざん―リーシャン)と呼ばれる村、―豊かなる自然の恵みと優麗なるその美観をして・・・この島の地の民の世にその名を知らしめる山間の村に訪れた夜明け。

 太魯閣(タロコ)、雪覇(せきは)、・・・国家の営むそうした名高い公園の群れに隣り合い、その景勝に触れるべくと訪れる観光の者たちの足取りのうちにたたえる賑わい。あたたかな風に撫でられながらに育まれる果実、そしてその傍らに育む茶(ちゃ)の香りが―ゆらめく梨山烏龍茶(-うーろんちゃ)の香りがまた、日々にとどまることなく人々の影を引き寄せる。

 かの地に大いなるざわめきをたたえる花見(はなみ)の季節も過ぎて、また過ぎゆくうつろいの頃。朝霧(あさぎり)の雲海(うんかい)のうちに浮かぶ民世(たみよ)が、暁(あかつき)のうちに目を覚ます。


台湾|世界採集写真館

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