|
足元を散って歩き回る鳩(はと)、飛んで寄る鳩。公園のブランコに尻をついて、餌(えさ)になるものを置いているのだろう、伸ばしたその手、飛びついてくる趾(あしゆび)と嘴(くちばし)についばまれるは指先だ。 白の靴下、素足に靴、折り曲げた脚に揺られる鎖(くさり)がきしんで、羽音(はおと)に交わり合う。 長い黒髪を胸まで垂らしながらの少女、もっと長い黒髪を伸ばす腕にしなだれかけながらの少女、笑う少女のふたりのひととき。 夏の面影を留めるものなのか、普段ながらのものなのか、いずれにあろうと揃って浅黒さ見ゆるその肌は秋に向かう日の風に撫でられて、すずろのうちに香りまいたろうとき。傍観の目は、その二の姿態を女子小学生そのものであると見ろう。 日の暮れ近づく古い町の角。八洲(やしま)の湖国(ここく)の北は滋賀県(しが-)、長浜市(ながはま-)の町のどこかの夕刻。
|