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ゆらぐ地中海(ちちゅうかい―Mer Méditerranée)の水面をほど近くに見据えるヴォクリューズ(Vaucluse)のペルヌ・レ・フォンテーヌ(Pernes-les-Fontaines)は、南フランス(Midi de la France)の内陸に位置する小さな田舎町(いなかまち)。数多の泉(いずみ―fontaine)を街中に湛えることからその名があるこの町は、その中央に城(しろ)と教会(きょうかい)を据えつつ今日も静かにたたずむ。 年の春(はる―Printemps)をまた迎えたペルヌ・レ・フォンテーヌの民家の庭先、そこにはささやかな笛(ふえ)の―縦笛(たてぶえ)の音が奏でられ響いていた。三つ編みの髪を垂らしつつ、口に咥えるリコーダー(flûte à bec)を吹く少女(しょうじょ―fille)。ぴろぴろ・・・辺境の田舎町に流れる簡素な楽器のしらべ。 あたたかにして穏やかにたまり時に撫でゆく穏和な南仏(なんふつ)の風とともに、静かな町にそうして過ぎてゆく春のはじめのひとときとともに。
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